Zoho InventoryとZoho CRMの連携

    概要

    製品の連携機能は、販売や配送チャネルだけでなく、Zoho CRMなどのCRM(顧客関係管理)プラットフォームとのシームレスな連携が可能です。

    すでにZoho CRMをご利用の場合は、Zoho Inventoryとかんたんに連携できます。連絡先(別名:個人連絡先)、顧客取引先(別名:顧客連絡先)、仕入先、商品(別名:製品)などを自動的に同期してインポートすることができます。

    概要

    前提条件

    • 有効なZoho CRMの取引先があること。
    • 有効なZoho Inventoryの組織があること。
    • CRM取引先が他のZoho InventoryまたはZoho Booksの組織と連携されていないこと。もし連携がある場合は、現在の組織との連携を開始する前に、その連携を無効にする必要があります。

    Zoho CRMとの連携の理由

    • Zoho CRMは、顧客との関係を管理し、組織全体の販売、マーケティング、カスタマーサポート、在庫管理機能を合理化するための、オンデマンド顧客関係管理(CRM)ソフトウェアです。
    • Zoho CRMは、多くのZohoアプリや外部サービスと連携されています。そのため、Zoho Inventory組織をZoho CRM取引先と連携することは、さらなる機能拡張の機会となります。
    • 連携されたオンラインマーケットプレイスで販売が行われると、その購入を行った新しい顧客の情報と受注書がZoho Inventory内で自動的に生成されます。Zoho InventoryとZoho CRM間の連携を使用すると、これらの顧客は自動的にZoho CRMデータベースにも追加されます。
    • 既存のZoho CRMユーザーにとっては、Zoho CRM内の既存の顧客ベース、卸売業者ネットワーク、大量の商品をZoho Inventoryに容易に取り込むことができます。これにより、個々のデータを手動で追加するのに必要な時間と労力を節約することができます。

    連携の仕組み

    • 一度連携が設定されると、Zoho CRM内の取引先、連絡先、仕入先は、Zoho Inventoryの連絡先タブと同期されます。
    • Zoho CRMの製品は、Zoho Inventoryの商品と同期されます。Zoho CRMからインポートされた商品は、Zoho Inventoryの販売商品としてインポートされます。
    • すべてのタブを統合すると、Zoho Inventoryで作成された受注書や請求書にもアクセスできるようになります。これにより、顧客のオンライン注文もZoho CRM内で表示されます。
    • Zoho InventoryとZoho CRMの連携を有効にすると、以下のデータがZoho CRMと共有されます。
    • あなたの組織名、メールアドレス、地域(国)。
    • Zoho Inventoryで作成されたすべての連絡先と取引の詳細。

    連携されたタブは、2時間ごとに自動で同期されます。また、手動同期を実行して、すぐにデータを取得することもできます。.

    Zoho Inventory Zoho CRM連携のフロー図

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    Zoho CRMとの連携の設定

    Zoho InventoryとZoho CRMを同期するには、以下の方法を使用できます。

    第1段階 - Zoho CRM取引先の準備

    CRMタブ用のビューの作成

    Zoho CRMとZoho Inventoryを連携する際には、連携タブ(具体的には取引先、連絡先、仕入先、製品)の特定のビューのみを同期することも選択できます。これにより、Zoho InventoryとZoho CRM間で特定のビューとデータのみを同期するように連携を調整することができます。

    Zoho CRMでカスタムビューを作成する方法についての詳細はこちらをクリックしてください。

    Zoho Inventoryでの取引先に対するメインの連絡先の割り当て

    Zoho Inventoryでは、各連絡先(顧客/仕入先)の下に最大20人の連絡先を持つことができます。しかし、メインの連絡先として指定できるのは常に1人です。

    このセクションでは、Zoho CRMで取引先にメインの連絡先を指定する方法を説明します。これにより、Zoho Inventoryと連携する際、メインの連絡先の情報を自動で反映させる方法も確認できます。

    ステップ1- Zoho CRMの連絡先タブにチェックボックスの種類のカスタム項目を定義し、[Is Primary Contact?(メインの連絡先ですか?)]と名付けます。Zoho CRMでカスタム項目を追加する方法は、こちらをクリックしてください。

    ステップ2-Zoho CRMで連絡先タブに移動し、取引先名を含む新しいリストビューを作成します。

    ステップ3-Zoho CRMで連絡先を取引先名に基づいて並べ替え、次に一括更新を実行します。

    • 一括更新ポップアップ内で指定する項目において、[Is Primary Contact?(メインの連絡先ですか?)]というカスタム項目を選択します。
    • 次に、[メインの連絡先ですか?]というチェックボックスの種類のカスタム項目を更新して、各取引先にメインの連絡先を割り当て、更新を完了します。
    • これで、Zoho Inventory内の連絡先の連携中にこの特定の項目を関連付けられるようになりました。

    第2段階 - Zoho Inventory組織の準備

    必須のカスタム項目のタブへの追加

    • Zoho CRMの取引先、連絡先、仕入先の追加情報をカスタム項目を使用して保存していることもあるでしょう。Zoho CRMから追加情報を取り込むためには、Zoho Inventory内に同様の種類のカスタム項目を設定する必要があります。これらの項目は、Zoho CRMの対応する項目に関連付けることができます。

    Zoho Inventoryの[連絡先]タブにカスタム項目を追加する手順は以下の通りです。

    • Zoho Inventoryにログインします。
    • 画面右上の設定(歯車)アイコンをクリックします。
    • ドロップダウンメニューから[その他]を選択します。
    • 設定]の[各種設定]タブに移動します。
    • 各種設定]の[連絡先]タブを選択します。
    • カスタム項目]セクションに切り替えます。
    • 新しいカスタム項目]ボタンをクリックします。
    • ポップアップが表示されるので、必要なカスタム項目を定義し[保存する]をクリックします。
    • 連絡先のカスタム項目についての詳細は、こちらをご参照ください。

    注意:必要なカスタム項目をZoho Inventoryに追加し、連携後にZoho CRMに関連付けることも可能です。

    第3段階-連携の設定

    • Zoho Inventory組織にログインします。
    • [連携]に移動します。
    • Zoho CRMを選択します。
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    • 画面右上の[連携]ボタンをクリックします。
    • CRM設定ページが開きます。
    • セクション1のZoho CRMの認証情報を使って、[Zoho CRMと連携する]ボタンをクリックして次に進みます。
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    • メールアドレスとZoho CRMのZSCキーの入力を求めるポップアップが表示されます。
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    • [Zoho CRMのZSCキーを生成する]をクリックすると、ポップアップからZoho CRMのZSCキーを生成できます。
    • Zoho CRMの取引先が新しいタブで開き、登録したメールアドレスとZSCキーが表示されます。
    • 必要であれば、[キーを再生成する]選択肢をクリックして、新しいZSCキーを再生成することもできます。
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    • Zoho CRMからZSCキーをコピーし、Zoho InventoryのCRM連携タブに切り替えて、Zoho CRMとの連携画面の該当項目に貼り付けます。
    • [保存する]をクリックします。
    • 詳細ページの上部に完了メッセージが表示されます。
    • これで、連携のさまざまなタブの設定に進むことができます。

    第4段階-連携タブの設定

    [連絡先]と[仕入先]タブの同期設定を行うには、セクション 2 の[今すぐ設定する]ボタンをクリックします。

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    取引先と連絡先

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    • [今すぐ設定する] ボタンをクリックすると、取引先と連絡先を連携する ページが開きます。こちらで5つ設定を行うことができます。
    • Zoho CRMのタブの選択:Zoho CRMから同期するデータ(取引先のみ、連絡先のみ、両方)を選択できます。注:これは連絡先タブでのみ利用可能です(仕入先タブでは利用できません)。
    • 同期の範囲の選択:同期の方向(データ転送の方向)を選択できます。
    • 重複データの処理方法の選択:Zoho InventoryとZoho CRM間で同期を設定する際に、既存のデータが重複していた場合の処理方法(複製、上書き、スキップ)を選択することができます。
    • 同期するビューの選択:同期するビューを追加できます。
    • 項目の関連付け:Zoho InventoryとZoho CRM間で同期するさまざまな項目を関連付けできます。

    上記の設定が完了したら、保存して同期するか、保存して後から同期することができます。

    仕入先

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    • 仕入先タブの近くにある[今すぐ設定する]ボタンをクリックすると、仕入先の連携ページが開きます。ここで4つの設定を行うことができます。上記の手順とほぼ同様です。
    • 同期の範囲の選択る:同期の方向(データ転送の方向)を選択できます。
    • 重複データの処理方法の選択:Zoho InventoryとZoho CRM間で同期を設定する際に、既存のデータが重複していた場合の処理方法(複製、上書き、スキップ)を選択することができます。
    • 同期するビューの選択:同期するビューを追加できます。
    • 項目の関連付け:Zoho InventoryとZoho CRM間で同期するさまざまな項目を関連付けできます。
    • 上記の設定が完了したら、保存して同期するか、保存して後から同期することができます。

    商品

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    • 商品タブの[今すぐ設定する]ボタンをクリックすると、商品の連携ページが開きます。ここでは3つの設定を行うことができます。
    • 同期の範囲の選択:同期の方向(データ転送の方向)を選択できます。
    • 重複データの処理方法の選択:Zoho InventoryとZoho CRM間で同期を設定する際に、既存のデータが重複していた場合の処理方法(複製、上書き、スキップ)を選択することができます。
    • 項目の関連付け:Zoho InventoryとZoho CRM間で同期するさまざまな項目を関連付けることができます。
    • 上記の設定が完了したら、保存して同期するか、保存して後から同期することができます。

    Zoho CRM内でのZoho Inventoryタブの有効化

    1) 取引タブの有効化

    連携が設定されると、[取引タブの同期]セクションが表示されます。これを有効にすると、Zoho CRM内でZoho Inventoryの取引タブにアクセスできるようになります。

    取引タブを有効にする前

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    取引タブを有効にした後

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    注意:Zoho Booksと既に連携しており、Zoho Books経由で取引タブを有効にしている場合、Zoho Inventoryの取引タブも自動的に有効になります。商品、在庫更新、パッケージ、出荷など、Zoho Inventoryのみに関連するタブは、必要に応じて手動で有効にする必要があります。

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    2) Zoho CRM内のInventoryタブへのアクセス

    連携されたZoho CRMアカウントに移動し、以下の手順に従ってInventoryタブにアクセスします。

    • Zoho CRMのメニューバーにあるZoho Inventoryをクリックします。
    • サブメニューとして請求書、受注書、発注書などが表示されます。
    • Zoho Inventoryから同期された取引は、CRMの取引先でこれらのサブメニューから利用できるようになります。一つずつ説明していきます。
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    請求書

    新規請求書の作成

    Zoho CRMで新しい請求書を作成するには、以下の手順に従ってください。

    • Zoho Inventoryの[請求書]タブに移動します。
    • 画面右上の[+]アイコンをクリックします。
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    • [請求書の作成]ページが開きます。
    • 必要な情報を入力し、[保存する]ボタンをクリックして、請求書を下書き状態で保存するか、[保存して送信する]ボタンをクリックして、請求書を保存すると同時に、請求書のコピーを顧客にメールで送信します。
    • Zoho Inventoryと同様に、請求書の詳細ページでは、編集、複製、エクスポート、PDFのダウンロード、印刷などの処理を実行できます。

    受注書

    新規受注書の作成

    • Zoho CRMで新しい受注書を作成するには、以下の手順に従ってください。
    • Zoho Inventoryの[受注書]タブに移動します。
    • 画面右上の[+]アイコンをクリックします。
    • [受注書の作成]ページが開きます。
    • 必要な情報を入力し、[保存する]ボタンをクリックして受注書を[下書き]状態で保存するか、[保存して送信する]ボタンをクリックして、受注書を保存すると同時に、受注書のコピーを顧客にメールで送信します。
    • Zoho Inventoryと同様に、請求書の詳細ページでは、編集、複製、エクスポート、PDFのダウンロード、印刷などの処理を実行できます。
    • [変換]ボタンをクリックすると、受注書を請求書または発注書に直接変換することができます。
    • 注意:現在、Zoho CRMから直接パッケージや出荷を作成することはできません。ただし、Zoho Inventoryで作成されたパッケージや出荷の詳細を同期して表示することは可能です。
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    発注書

    新規発注書の作成

    Zoho CRMで新しい発注書を作成するには、以下の手順に従ってください。

    • Zoho Inventoryの[発注書]タブに移動します。
    • 画面右上の[+]アイコンをクリックします。
    • [発注書の作成]ページが開きます。
    • 必要な情報を入力し、[保存する]ボタンをクリックして発注書を[下書き]状態で保存するか、[保存して送信する]ボタンをクリックして、発注書を保存すると同時に、発注書のコピーを顧客にメールで送信します。
    • Zoho Inventoryと同様に、発注書の詳細ページでは、編集、複製、エクスポート、PDFのダウンロード、印刷などの処理を実行できます。

    注意: Zoho Inventoryに複数の倉庫がある場合、Zoho CRM内で取引を作成すると、初期設定ではメインの倉庫で在庫が更新されます。

    在庫更新

    Zoho CRMでは、各商品の在庫状況をリアルタイムで確認することができます。方法は以下の通りです。

    • 画面左側のメニューから商品タブを開きます。
    • 商品リストから一つの商品をクリックします。
    • 在庫の詳細セクションで、以下の情報を確認できます。
      • 手持ち在庫: 手元にある数量。
      • 引き当て済み在庫: 未入荷の数量。
      • 販売可能: 出荷予定の数量。
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    CRM連携の管理

    CRMとの連携の管理

    連携の設定、実行が完了後、次にその管理方法を説明します。

    CRM連携管理へのアクセス

    • [連携]タブに移動します。
    • CRMタブを選択します。
    • [詳細の表示]ボタンをクリックします。
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    • ニーズに応じてこのタブを表示、操作、調整できるページが開きます。
    • CRM詳細ページには2つのセクションがあります。
      • セクション 11には Zoho CRMの認証情報が含まれます。このセクションでは、認証情報の更新と連携の無効化ができます。
      • セクション2には同期可能なタブが表示されます。各タブでは、編集、同期の一時停止、同期履歴の表示、インスタント同期などができます。
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    セクション1- Zoho CRMの認証情報

    認証情報の更新

    • [連携]タブに移動します。
    • CRMタブを選択します。
    • [詳細の表示]ボタンをクリックします。
    • セクション1-認証情報の更新をクリックします。
    • CRMへの連携画面が開きます。
    • この手順は、連携の設定方法とほぼ同様です。

    連携の無効化

    • [連携]タブに移動します。
    • CRMタブを選択します。
    • [詳細の表示]ボタンをクリックします。
    • セクション1-[連携の無効化]をクリックします。
    • 選択を確認するポップアップ画面が表示されます。
    • [確認]ボタンをクリックして、連携を無効にします。

    セクション2-同期可能なタブ

    以下の操作は[連絡先]タブと[仕入先]タブで共通です。

    編集

    • [連携]タブに移動します。
    • CRMタブを選択します。
    • [詳細の表示]ボタンをクリックします。
    • セクション2-該当のタブから[編集]をクリックします。
    • 編集ページが開きます(このページは設定ページと同じです)。
    • このタブの連携のさまざまな設定や管理ができます。
    • Zoho CRMのタブの選択:Zoho CRMから同期するデータ(取引先のみ、連絡先のみ、両方)を選択できます。注:これは取引先と連絡先タブでのみ利用可能です(仕入先タブでは利用できません)。
    • 同期の範囲の選択:同期の方向(データ転送の方向)を選択できます。
    • 重複データの処理方法の選択:Zoho InventoryとZoho CRM間で同期を設定する際に、既存のデータが重複していた場合の胥吏方法(複製、上書き、スキップ)を選択することができます。
    • 同期するビューの選択:同期にビューを追加できます。
    • 項目の関連付け:Zoho InventoryとZoho CRM間で同期するさまざまな項目を関連付けできます。
    • 上記の設定が完了したら、保存して同期するか、保存して後から同期することができます。

    同期の一時停止

    • [連携]タブに移動します。
    • CRMタブを選択します。
    • [詳細の表示]ボタンをクリックします。
    • セクション2で、該当のタブの[同期を一時停止]選択肢をクリックします。
    • 完了メッセージが表示されます。
    • 同期再開が選択されるまで、このタブの同期プロセスは停止します。

    同期履歴の表示

    • [連携]タブに移動します。
    • CRMタブを選択します。
    • [詳細の表示]ボタンをクリックします。
    • セクション2で、該当のタブの[同期履歴を表示する]をクリックします。
    • [同期履歴]ページに移動します。

    すぐに同期する

    • [連携]タブに移動します。
    • CRMタブを選択します。
    • [詳細の表示]ボタンをクリックします。
    • セクション2で、該当するタブの[すぐに同期する]をクリックします。
    • 選択したタブはすぐにZoho CRMと同期されます。
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    操作

    Zoho CRMの取引先に対するZoho Inventoryベースの受注書と請求書のアクセス

    アクセス

    Zoho CRM内でZoho Inventoryの受注書と請求書にアクセスするには、以下の要件を満たしている必要があります。

    • Zoho CRMの取引先、連絡先、仕入先、商品とZoho Inventoryの連絡先、商品の連携。
    • 同じ組織によるZoho InventoryとZoho Booksの連携。

    上記の要件を満たすことで、Zoho CRMに連携されたすべての取引先のZoho Inventoryの受注書と請求書にアクセスできるようになります。

    連携済みのCRMの取引先に関連付けられた注文と請求書にアクセスするには

      Zoho CRMを開きます。

      [取引先]タブをクリックします。

      該当の取引先を開きます。

      下にスクロールして、取引先内のZoho Booksセクションに移動します。

      注:Zoho BooksとZoho Inventoryのデータは同期されます。

      Zoho Booksセクションでは、Zoho Books/Zoho Inventoryでこの取引先用に作成された見積書、注文書、請求書にアクセスできます。

      ここでは、その取引先の既存の注文や請求書を表示できるだけでなく、新しい取引を作成してすることもできます。作成した取引は、すぐにZoho Inventory/Zoho Booksに反映されます。

    Zoho InventoryのZoho CRMの連携により注文と見込み客を効率的に管理できます。