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Zoho CRM - 2025年1月〜3月のアップデート

公開日:

2025年5月19日

この記事は26分で読めます

執筆者 菊池 紗矢香

Zoho CRM - 2025年1月〜3月のアップデート

2025年、Zoho CRM はAI機能を大幅に強化し、営業活動をより一層パワーアップできるよう取り組んでいます。皆様からのご要望にお応えし、数多くの強力なアップデートや機能改善を実現しました。

WhatsApp for Businessとの連携強化

WhatsApp for Businessの使い勝手がさらに向上しました。WhatsApp for Businessと Zoho CRM を連携することで、WhatsAppにおいて承認されたメッセージテンプレートを Zoho CRM 上で自動処理できます。今回の機能強化では、状況に応じて顧客へ直接メッセージテンプレートを送信できるほか、スレッド返信や音声プレビュー機能もご利用いただけるようになりました。

WhatsApp for Business連携の新機能について詳しくはこちらをご覧ください。

Zoho CRM とLINEの連携開始

東アジアおよび東南アジアで約3億人のユーザーを抱えるLINEは、世界で最も人気のあるコミュニケーションプラットフォームの1つです。そしてこのたび、Zoho CRM のユーザーもLINEチャネルの利用が可能になりました。

Zoho CRM とLINEのビジネスアカウントを連携させることで、LINEから見込み客や顧客と直接会話できます。LINEから問い合わせがあった場合には、その会話を Zoho CRM 内で営業担当者に割り当て、担当者がそのまま顧客対応を行えます。

これらの会話は Zoho CRM で一元管理され、添付ファイルの共有や、問い合わせしてきた人を新規データとして登録したり、既存データと関連付けたりできます。さらに関連する情報をCRM 上ですぐに確認できるため、顧客との会話をスムーズに進めることができます。

新規アドオン ABM for Zoho CRM をリリース

既存の顧客への販売は、新規の見込み客を獲得して販売するよりも容易であるという統計があります。多くの企業は、時間とリソースをかけて築き上げた強固な関係を持つ取引先をすでに多数保有しているはずです。その関係を活かし、クロスセルやアップセルの機会を創出できたら理想的ではないでしょうか。

Zoho CRM のアドオンとして利用できるABM for Zoho CRM は、こうした既存の取引先からさらなる価値を引き出すための最新のカスタマーエクスペリエンスツールです。

ABMは、売上高や指定した条件に基づいて最適な取引先を特定することから始まります。さらに、選ばれた取引先には、インターネット上から収集した追加情報を付加し、チームが活用できる詳細なプロフィールを構築します。

取引先に情報を付加すると、設定したフィルターに基づいて取引先が自動的に分類されます。さらにABMでは、RFM分析、企業属性、エンゲージメント、顧客の声、レコメンドなど、業界で広く活用されている手法を使って、より精度の高い取引先の分類も可能です。

分類が完了すると、営業活動全体のデータをもとに、取引先や顧客の現状を詳しく把握できるようになります。これにより、今後のアプローチ方法やキャンペーン計画に役立つ、実用的な知見を得られます。

また、Zoho CRM のコマンドセンターを活用すれば、ターゲットとなる取引先ごとにカスタマイズされたカスタマージャーニーを構築できます。さらに、Zoho Campaigns と連携することで、パーソナライズされたキャンペーンの企画・実行が可能になり、新たなビジネスチャンスの創出につながります。

キャンペーン実施後は、専用のダッシュボードで各セグメントのパフォーマンスを可視化し、その効果を詳細に分析できます。

ABM for Zoho CRM を活用して、有望な取引先との関係を深めながら、継続的な成長を実現しましょう。

Zoho CRM とLINEの連携開始

見積支援ツール(CPQ)を強化

スピードが求められる営業チームにとって、見積支援ツールは、顧客のニーズを正確に把握し、成約率を高めるための個別見積もりを迅速に作成するために欠かせない存在です。今回、この見積支援ツールに新たな機能が追加されました。

営業プロセスのあらゆる流れに見積入力ガイドをスムーズに組み込めるように、カスタムタブでも見積入力ガイドの利用が可能になりました。これにより、営業プロセスに関連するどのタブからでも、見積入力ガイドを活用できるようになりました。

キオスクスタジオの強化

キオスクスタジオは、Zoho CRM 内でキオスクを構築し、営業担当者がさまざまな業務をスムーズに進められるよう支援する機能として、多くのユーザーに支持されています。今回のアップデートでは、キオスクの構築や運用をより柔軟に管理できるようになりました。

  • GetRecordsの新機能 - 選択なしで表形式表示でデータを表示したり、GetRecordsをスタンドアロンコンポーネントとして再利用したり、画面からデータの詳細を表示できるようになりました。
  • 新しい処理に対応 - キオスク画面からワンクリックでリンクや特定のデータを開くなどの処理を行えるようになりました。
  • ユーザーエクスペリエンスの向上 - キオスクの複製、ボタンの並び替え、ボタンなしの画面表示が可能になりました。
  • メールおよび項目サポートの強化 - 通知や更新処理でメール項目が使用可能になりました。ログインユーザーの変数にも対応しました。

迷惑電話のブロック機能を追加

見込み客や顧客とのつながりを深め、新たな商談の機会を生み出すことに集中すべき営業チームが、その貴重な時間を迷惑電話の対応で無駄にするのは避けたいものです。

今回のアップデートにより、Zoho CRM の標準電話システムや外部の電話サービスとの連携機能を活用し、着信拒否リストを作成・管理できるようになりました。さらに、通話履歴の画面からワンクリックで迷惑電話番号をブロックすることも可能です。

Microsoft Teams 電話とMicrosoft Teams オンライン会議との連携を追加

Zoho CRM では、皆様が日常的に使用するアプリと Zoho CRM とを簡単に連携し、より快適に業務を進められる環境を提供することを重視しています。このたび、Microsoftの2つのツールとの連携を追加し、利便性を高めました。

  • Microsoft Teams 電話 – Microsoftのクラウド電話サービスと Zoho CRM を連携し、ワンクリックで見込み客や顧客に発信可能になりました。通話の自動記録や、顧客対応時の営業情報の表示など、CRM 内でスムーズに通話を管理できます。
  • Microsoft Teams オンライン会議 – Microsoft Teamsと連携し、Zoho CRM 内からオンライン会議の計画・スケジュール管理・予約・開始が可能になりました。見込み客や顧客とのコミュニケーションをより効率的に行えます。

サブフォームの機能強化

Zoho CRM のサブフォームは、CRM 内のさまざまな情報を1つのデータに集約するために欠かせない機能です。しかしこれまでは、項目ごとにアクセス権限を設定する必要があり、管理が煩雑でした。

今回のアップデートでは、サブフォーム単位でアクセス権限(表示・作成・編集・削除)を設定できるようになりました。これにより、サブフォーム全体をまとめて管理できるため、権限設定がシンプルかつ効率的になりました。さらに、この権限をポータルにも拡張して、外部からのアクセスを簡単に管理できるようになりました。

これ以外にも、サブフォームの操作性を向上させるために、下記の機能強化を行いました。

  • 複数の列を固定 – サブフォーム内で複数の列を固定できるようになり、スクロールしても重要な情報を見失うことなくスムーズに操作できます。
  • 列幅の調整 – Zoho CRM のアカウントの管理者は、サブフォームの列幅を調整できるようになりました。これにより、画面の見やすさが向上し、横スクロールの手間を大幅に軽減できます。
  • Ajax/スポット編集のサポート – 行の追加、編集、複製、削除といった操作が可能になりました。また、行の並べ替えや、条件に基づくフィルタリングも行えるようになりました。

数式項目の機能強化

ビジネスでは、長期的な成功を確実にするために、さまざまな指標をリアルタイムで長期的に計算し、追跡・把握する必要があります。Zoho CRM では、数式項目を使って、このような計算式を組み込むことができます。

この数式項目を最大限に活用できるよう、数式の精度と使いやすさを向上させる強化を行いました。

  • 時間ベースの数式の自動更新 – データが手動で更新されたときにのみ数式が実行・計算されるのではなく、「Now()」関数を含む数式項目をリアルタイムで自動的に更新するというチェックボックスを導入しました。このチェックボックスをオンにすることで、データの閲覧や編集ごとに関連する数式が自動で実行されるようになります。
  • 条件に基づいて数式の実行を停止 – 特定の条件に基づいて計算を停止したり、値を固定したりできるようになりました。これは、顧客が解約するまでに要した時間や商談が特定のステージで停滞した日数などを計算するなど、データが特定の状態に達した時点で数式の実行を停止したい場合に利用できます。

「チームでの販売」機能と「売上の分配」機能の導入

商談は、営業、プリセールス、マーケティング、法務、サポート、カスタマーサクセスなど、組織のさまざまなメンバーの協力によって成立します。しかし、従来の CRM では、システムが商談担当者のみを認識するため、それ以外のメンバーがどれだけ貢献しているのかを把握するのは難しいことがありました。

各メンバーの努力が正しく認識され、貢献度が適切に反映されるよう、Zoho CRM では「チームでの販売」機能と「売上の分配」機能を商談タブに導入しました。

チームでの販売

この機能を活用することで、商談に関わる複数のメンバーを一つのチームとしてまとめ、それぞれに適切なアクセス権と可視性を提供できます。これまでのように商談担当者だけに依存するのではなく、チーム全員が効率的に協力しながら、CRM 内でメモを追加したり、進捗を追跡したり、重要な情報を共有したりすることが可能になりました。

売上の分配

この機能を活用すると、商談で得た収益をチームメンバーの役割や貢献度に応じて適切に配分できます。商談の貢献者に対する分配方法は、以下の2種類があります。

  • 収益分配 – 商談の成約に直接貢献したメンバーに対し、商談金額に基づいて収益を配分します。
  • オーバーレイ分配 – 商談に間接的に影響を与えたメンバーを対象にした分配方式です。

売上予測の機能強化

Zoho CRM の売上予測機能をさらに進化させ、さまざまなビジネスの複雑なニーズに対応できるよう改良を重ねてきました。これまでに「ボトムアップ(下から)」や「独自の予測期間」の追加など、大きなアップデートを実施しましたが、今回さらに、ビジネスで活用できる新機能を追加しました。

  • 売上予測の階層のカスタマイズ – 適切なメンバーだけが目標を割り当てられ、業績評価の対象となるよう、売上予測の階層をカスタマイズできるようになりました。特定のユーザー、役職、テリトリーを売上予測から除外することが可能です。また、「直属の上司」階層を使用している場合、上級社員やその部下を予測対象から除外することもできます。
  • 売上予測の調整 – 売上予測は確定したものではなく、さまざまな要因によって変動します。より正確な情報をもとに自信を持って重要な意思決定ができるよう、Zoho CRM では、商談担当者が進行中の商談の売上予測を調整できるようになりました。また、マネージャーも、商談の状況や部下の能力を踏まえて、適切に売上予測を修正できます。
  • 売上予測における異常検知 – チームが予測期間内の目標達成に向けて取り組む中で、Zia が常に実績を監視します。全体の進捗に予想外の変動が発生した場合、自動的にチームリーダーへ通知し、問題が発生する前に素早く対処できるようサポートします。

ビジネス指標を可視化するためのグラフを複数追加

数値を読み解くだけでなく、その背景にあるストーリーを理解することが重要です。そのために欠かせないのが分析グラフです。Zoho CRM ではこれまでもデータのパターンや相関関係を特定するのに役立つ多彩なツールを提供してきましたが、今回さらに新たなツールが加わりました。

  • サンキーチャート - プロセス内でデータが異なるステージを通過する流れを視覚的に表示します。設定は簡単で、複数のグループ化オプションにより、データの流れをより詳細に関連付けできます。例えば、特定の地域での高優先度の商談がどの製品ラインに分布しているかといった追跡を行えます。
  • ツリーマップチャート – 階層データを長方形のレイアウトで表現したもので、親カテゴリーは大きなタイルとして表示され、その中にサブカテゴリーが入れ子状に表示されます。各タイルの大きさは対応する値の大きさに比例しており、階層内の異なるセグメントを直感的に比較できるようになっています。
  • バタフライチャート – 2つのデータセットを並列にして比較したい場合に最適なチャートです。このグラフでは、データがX軸を中心に左右対称の横棒として描かれ、まるで蝶の羽のような形になります。
  • クラスターチャート – クラスターチャートは、積み上げ棒グラフに似ていますが、データを横に積み上げるのではなく、縦棒として表示します。複数のグループを持つ棒グラフを作成する際、グラフの種類をクラスターチャートに変更することで、この形式での表示が可能になります。

上記のグラフに加えて、ウォーターフォールコンポーネントも新たに導入しました。

  • ウォーターフォールコンポーネント – これを使うと、特定の指標がどのように変化するかを視覚的に確認できます。「基本」「累積」「内訳」「予測」の各タイプから選択でき、さまざまな要因が指標に与える影響を時間の経過とともに分析できます。

データ共有ルールの刷新

現代のビジネスにおいて、適切な情報を適切な人と共有することは非常に重要です。と同時にデータの保護も欠かせません。Zoho CRM のデータ共有設定は、CRM データをユーザー、役職、グループ間でどのように共有するかを管理するための統合管理ツールです。

今回、このデータ共有設定をより直感的に操作できるようにデザインを一新し、必要なルールを簡単に見つけて更新できるようになりました。さらに、以下の機能も追加しました。

  • 2つのタブでの操作 – 標準の組織権限と共有ルールを管理する専用タブを用意し、より分かりやすく整理しました。
  • 共有ルールの詳細ビュー – すべての共有ルールをタブごとに一覧表示し、素早く確認・更新できるようになりました。
  • ワンクリックで有効化/無効化 – すべての共有ルールをワンクリックで有効化・無効化できるようになりました。
  • 共有ルールの複製 – 既存のルールを複製し、条件を調整した上で、簡単に新しいルールを作成・適用できます。
  • 検索と詳細フィルター – タブごとに共有ルールをフィルターするか、検索バーと詳細フィルターを使用して特定のルールを探して簡単に変更できます。

フィルターによるダッシュボードの絞り込みが可能に

売上の実績を把握するために、さまざまな指標を追跡するダッシュボードを複数設定している方も多いでしょう。しかし、全体の売上状況ではなく、特定の商品ラインや地域のデータだけを確認したい場合、これまでは各コンポーネントを個別に操作して詳細を絞り込む必要がありました。

新しく追加されたダッシュボードフィルターを使えば、数回のクリックで必要なデータを簡単に絞り込めます。Zoho CRM 他のフィルターと同様に、条件を指定するだけで、ダッシュボード全体のデータが対象のデータセットに絞り込まれ、より素早く詳細な分析が可能になります。

集計項目の強化

Zoho CRM では、集計機能の導入により、あらかじめ定義された集計項目が幅広く利用されてきました。集計項目は、その名の通り、ビジネスのさまざまな指標を一目で確認できるよう要約されたものです。例えば、総商談数、取引先ごとの売上、失注金額、最長のセールスサイクル期間など、事前に定義された項目が自動的に集計されます。

しかし、企業ごとに営業プロセスや業界、業務内容が異なるため、標準の集計項目ではすべてのニーズに対応できない場合があります。

そこで、新たに「独自の集計項目」機能を追加しました。この機能により、業界ごとの特性に合わせた集計データを作成できます。任意の関連リストを選択し、整数や日付ベースの項目を集計できるため、より柔軟で実用的なデータの可視化が可能になります。

クライアントスクリプトの適用範囲が拡大

クライアントスクリプトは、Zoho CRM での情報の表示や操作を柔軟に管理できる強力なツールです。複雑な計算の実行、サードパーティアプリケーションとの連携、データやボタンの表示・操作性の制御などが可能です。

今回のアップデートでは、クライアントスクリプトを適用できる範囲が拡大し、さらに多くの場面でビジネスに活用できるようになりました。

  • サブフォーム用クライアントスクリプト - クライアントスクリプトは現在、サブフォームイベントに対応しており、サブフォーム専用のクライアントAPIが用意されています。サブフォームイベントは、ユーザーによる処理(行の追加や削除、サブフォーム内のデータの更新など)を実行したときに起動します。これらのイベントを使用すると、検証、自動化、動的な更新などのクライアントスクリプトを実行できます。サブフォームイベントを活用することで、サブフォームの動作を正確に制御できます。
  • ポータル向けのクライアントスクリプト - ポータル固有の要件に対応できるように変更を加えて、さまざまなクライアントスクリプトをポータルでも利用できるようになりました。これにより、顧客、パートナー、仕入れ先によるデータのアクセスや操作を管理できます。例えば、仕入れ先のみが注文状況を更新できるようにし、それ以外のユーザーには閲覧のみ許可するといった制御が可能になります。

QuickMLを活用した独自のAIソリューションを導入

Zia は、多くの業務で活用できる高度なAI機能を提供しています。しかし、業界特有の課題や、よりニッチなニーズに対応するためには、独自のAIソリューションが必要な場合もあります。

そこで役立つのが、Zoho Catalyst の自社独自のニーズに合わせたAIモデル(機械学習モデル)を構築することのできるQuickMLです。今回の強化により、CRM データをQuickMLにエクスポートすることなく、Zoho CRM 内から直接QuickMLの機能を利用できるようになりました。これにより、以下のようなメリットが得られます。

  • データの前処理や 学習方法に関する設定をカスタマイズできます。
  • ノーコードで機械学習の仕組みを直接 CRM 内に構築できるため、作業時間が節約できプロセスを効率化できます。
  • 業界や企業独自のニーズに合わせたカスタムAIモデルを構築できます。

Zoho CRM のQuickMLについて詳しくはこちらをご覧ください。

顧客の声分析機能(VOC)の強化

ビジネスの成功と成長には、見込み客や顧客が自社をどう感じているかを把握することが欠かせません。Zoho CRM の顧客の声分析機能は、導入以来、さまざまな接点で顧客の声をリアルタイムに分析できるよう支援してきました。

今回、顧客の声分析機能をさらに強化し、より多くのデータソースから情報を取得することで、さらに包括的な分析を提供できるようになりました。これにより、顧客に対する理解を深め、より良い関係を築くためのヒントを得ることができます。

  • 外部アプリのコメントをタブに取り込み分析する - 既存のデータソースに加え、YouTubeのコメントや商品レビューなどの外部アプリのデータを Zoho CRM のタブに取り込めるようになりました。これにより、顧客の声分析を強化し、ダッシュボードや自動化機能を活用して、より効果的なビジネス戦略や顧客対応を計画できます。
  • 顧客の声分析をキオスクの画面上に表示 - 顧客の声分析の分析結果をキオスク画面上に表示し、見込み客や顧客が自社の製品・サービス・サポートをどのように感じているかを、対話の前に確認できるようになりました。
  • キーフレーズの表示が可能に - クラウドチャートで顧客が自社とやり取りする際に使用しているキーフレーズを表示できるようになりました。これにより、顧客の声分析ダッシュボードの分析精度が向上し、曖昧な推測を減らし、より正確な分析が可能になります。
  • 元データへのドリルダウン - 顧客の声分析は単なる言葉や数字ではなく、顧客の感情や表現を反映したものです。顧客の声分析の各要素をドリルダウンして、これらの感情や表現を使っている顧客を確認し、ダッシュボードからその人たちに対して迅速にフォローが行えます。
  • ホームページに顧客の声分析ダッシュボードを表示 - 顧客の声を常に把握できるように、アクセス権のある顧客の声分析コンポーネントを、自身のホームページのダッシュボードに追加できるようになりました。
  • 詳細フィルターに顧客の声分析に関する条件を導入 - 顧客の声分析に関する出来事を詳細フィルターに組み込むことで、出来事、キーワード、反応に基づいてデータをフィルタリングでき、最も優先すべきデータを特定しやすくなりました。これにより、注意が必要なデータを優先的に把握でき、スムーズな対応が可能になります。

Zia がさらに進化

Zia のAI機能が日々進化しています。Zoh CRM では、これまでに、予測モデル、レコメンデーションモデル、異常検知、コミュニケーションインテリジェンスなど、さまざまなAI機能を搭載してきました。これらはすべて Zoho CRM 内でネイティブに動作します。今回のアップデートでは、AIツールの新機能を活用できるようになりました。

Zia エージェントの導入

他の CRM ソフトウェア企業と同様に、私たちもエージェント型AIの世界に本格的に参入しています。数か月前、私たちは「製品ポートフォリオ全体で自律的なエージェントを導入し、ビジネスの各分野に特化したエージェントを展開する」という目標を発表しました。今回はその続報です。まずは、営業活動を最適化し成長を支援するためのSDRエージェントとセールスコーチエージェントをリリースします。

SDRエージェント

SDRエージェントを活用すれば、営業チームが本当に有望なリードに集中できるようになります。SDRエージェントは、見込み客へのフォローアップを自動で行い、メールでの情報提供を通じて見込み客を育成します。また、ナレッジベースを活用して問い合わせにも対応します。

そして、見込み客が購買に前向きな姿勢を見せたり、営業担当者との直接のやり取りを希望したりしたタイミングで、エージェントがスムーズに担当者へ引き継ぎます。これにより、営業チームは、タイムリーにより人間味のあるパーソナルな対応が行えます。

セールスコーチエージェント

セールスコーチエージェントは、営業をサポートしてくれるインテリジェントなコーチとして、顧客とのやり取りや適切な接触のタイミング、商談の進行状況などを分析し、その情報をまとめて次にとるべき行動を示唆してくれます。

セールスコーチエージェントは、「何が成功の要因だったのか?」「どこでつまずいたのか?」「次にどんな行動を取ればよいのか?」といった疑問に対して、ボタン一つで答えを導き出してくれます。

営業担当者がどんな状況にも対応できるようにするためには、実践に即したトレーニングが欠かせません。セールスコーチエージェントは、営業活動に役立つさまざまなシナリオや課題を提示し、それぞれのケースに合ったアプローチ方法やメッセージのカスタマイズをサポートします。

さらに、トレーニングの内容をもとに、有益なフィードバックを営業担当者へ提供します。これにより提案力が磨かれ、自信を持って営業に臨めるようになります。

AIエージェントの取り組みは、まだ始まったばかりです。今後も、営業チームの成長を支援するため、ビジネスのあらゆる場面に対応した複数のエージェントを順次導入していく予定です。

Zia エージェントについて詳しくはこちらをご覧ください。

「Zia に質問」がさらに賢く便利でスピーディに

2018年に Zia をリリースして以来、「Zia に質問」はAI機能の中でも重要な役割を果たしてきました。営業アシスタントであるZia に質問をするだけで、必要な数値やダッシュボード、分析結果などをすぐに表示し、ビジネスの意思決定をサポートしてくれます。

この「Zia に質問」機能は、今回大幅にパワーアップしました。

今回のアップデートで、「分析」「ヘルプ」「処理」という3つの目的に分けて Zia に質問ができるようになり、CRM の活用がこれまで以上に容易になります。

  • 分析:CRM のデータに関する質問に即座に答えてくれます。たとえば「今月の商談の成約状況を教えて」などと聞くと、レポートを作らなくても、その場で要点をまとめて表示してくれます。
  • ヘルプ:「ワークフロールールはどうやって作るの?」といった使い方の質問に、手順をわかりやすく教えてくれます。CRM の機能や設定で困ったときに便利です。
  • 処理:タブやワークフロー、レポートの作成、要約の生成など、具体的なタスクを Zia が代わりに実行してくれます。

さらに、「Zia に質問」では、分析、ヘルプ、処理ごとに複数のチャットセッションを同時に維持することができます。そのため、以前のやり取りの内容を失うことなく、チャットを行き来しながら質問を続けられます。

必要があれば、チャット履歴を削除してから新しいセッションを始めることも可能です。また、Zia の回答が役に立ったかどうか、フィードバックを送ることもできます。

キャンバス機能によるカスタマイズが容易に

キャンバス機能は、Zoho CRM を自分だけのものにカスタマイズできる強力なツールです。データ詳細ページやリストビュー、簡単フォーム作成など、ユーザーの各ページの表示を変更できます。

今回のアップデートでは、CRM のカスタマイズがさらに簡単になりました。

どのようなデザインのページにしたいかという画像をアップロードするだけで、Zia がその高度な画像認識と文字認識機能を使って、自動でテンプレートを作成します。

さらに、アップロードした画像の項目を CRM の項目に自動で関連付けたり、テンプレート作成後に手動で項目を関連付けたりすることができ、カスタマイズのプロセスを細かく制御できます。

クリックするだけで、キャンバス機能を使ったカスタマイズが Zia で簡単に実現できます。

インテリジェントな文字認識機能を導入

新たに導入されたインテリジェントな文字認識機能(ICR)は、単に印刷された文字を読み取るだけでなく、パターンや文脈も認識できるため、より柔軟なデータ活用が可能になります。

この Zia によるICRには、IDカードやその他のカード型画像など、ひとつのテンプレートを設定しておくことができ、それらの画像をデータ化するのに利用できます。例えば、名刺や会員カードの画像情報を読み取ると、ICRは、氏名、連絡先などの主要な情報を抽出します。それらの情報は、対応する CRM タブにシームレスに関連付けられます。

ICRは新規のデータ登録だけでなく、新しい情報を既存のデータに追加したり、古くなったデータを最新のものに更新したりすることが可能です。例えば、既存のデータに関連付けられている新しいドキュメントをアップロードした場合、新しい情報を既存項目に反映させるかどうかを選択できます。

強力なカスタマイズがわずか1つのプロンプトで可能に

Zoho CRM では、ビジネスニーズに合わせた強力なカスタマイズ手段を複数提供しています。中でも広く使用されているのが、ビジネスに必要なデータを収集・整理するカスタムタブを作成する機能や、ビジネスプロセスの一部を自動化するワークフロー機能です。

SaaSテクノロジーにおける生成AIの進化に伴い、Zoho CRM ではシンプルなプロンプトでさまざまな操作が可能になりました。

今回の Zia のアップデートでは、シンプルなプロンプトを入力するだけで、完全な機能を備えたカスタムタブやワークフローを作成できるようになりました。

カスタムタブを作成する際は、「Zia に質問」、タブビルダー、またはかんたん作成画面のいずれかに、タブの内容や目的を記載したプロンプトを入力すます。すると、Zia が関連する項目やセクションを作成するだけでなく、関連する追加タブを組み込みます。これにより、新しい業務プロセスの立ち上げをより迅速に進められるようになります。

ワークフローの作成も同じ手順で行えます。ワークフロールールの設定画面または「Zia に質問」に、ワークフローの目的を簡単なプロンプトで入力するだけで、Zia が基本的なワークフローを自動生成します。生成されたワークフローは、そのまま使用することも、必要に応じて編集・調整することも可能です。

カスタムボタンのプロンプトビルダーを導入

今回のアップデートにより、カスタムボタンのプロンプトビルダー を活用することで、以下のようなことが可能になりました。

  • 営業チームが、フォローアップコールの前に、見込み客や商談の状況などの情報を取得する
  • マーケティングチームが、フォローアップ用のパーソナライズされたメールを作成する
  • アナリストが、SWOT分析や競合分析、パイプラインのボトルネックを CRM データから直接入手する

プロンプトビルダーを使ってカスタムボタンにプロンプトを関連付けることで、ボタンをクリックするだけで Zia が即座にプロンプトを実行し、各データの詳細を踏まえた情報を提供してくれます。

「次の最適な顧客対応」の機能強化

「次の最適な顧客対応」に関するZiaの提案機能を活用することで、商談を前進させるために最適な対応内容を確認できます。

今回の機能強化により、「次の最適な顧客対応」は、あらゆるデータの接点(やり取り、シグナル、取引など)を活用した実行可能で状況に即した提案を提供できるようになりました。これにより、見込み客の育成、顧客の維持、営業パイプラインの最適化を支援し、より適切なタイミングで見積入力ガイドを使用して、ビジネス目標に合った処理を行えるようになります。

目標達成要因分析がパーソナライズされた分析を提供

目標標達成要因分析は、AI搭載のダッシュボードで、ビジネスのさまざまな側面を分析し、ポジティブなものもネガティブなものも、その傾向や要因を特定し、ボトルネックを解消するための対策を提案してくれる強力なツールです。

今回の強化により、これらのダッシュボードを個々のユーザーと共有できるようになりました。作成したダッシュボードは、ユーザーの役職やデータに基づいた内容が表示されます。これにより、すべてのユーザーが自分だけの分析結果や改善策を受け取ることができ、各自のパフォーマンス向上につながるだけでなく、ビジネス全体のレベルアップにもつながります。

使用状況データを活用してZiaの予測能力を向上

Zoho CRM では、インポート、API、URL、またはその他のサポートされているファイル形式を通じて、製品やサービスの使用状況データを活用できるようになりました。これにより、顧客の製品利用状況を把握し、解約につながる原因を特定することが可能になります。

使用状況データを Zoho CRM にリンクし、そのイベントを CRM の項目と関連付けると、Zia がこの情報を活用し、よりパーソナライズされたレコメンドや、解約の可能性を含むより正確な予測を行います。

Zia 分析でカスタムボタンを活用

Zia は、複数の業務領域にわたって幅広い分析を提供します。それは、さまざまな変数の予測、レコメンド、膨大な顧客データから導き出された分析など、多岐にわたります。

これまでは Zoho CRM 内でこれらの分析を確認するだけでしたが、今回の強化により、分析が表示されるページにカスタムボタンを設定し、以下のような処理を行えるようになりました。

  • 高いリードスコアを持つ見込み客が現れたら、ワンクリックで最適な担当者に割り当てる
  • 解約スコアが高い顧客が検出されたら、ボタンを押して関係を改善するキャンペーンを開始する
  • レコメンドが表示されたら、ボタンを押して新しい商談を作成し、営業活動を開始する

アップデート情報は以上です。

Zoho では、さらに強力で魅力的なアップデートを現在開発中です。皆様のビジネスをよりスムーズに進めるための機能や顧客とより深くつながるための機能を今後も提供していきます。

是非、新機能をお試しいただき、気に入った点、改善してほしい点、今後追加してほしい機能があれば、フィードバックをお寄せください。

では、次回アップデートをお楽しみに。

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